株式会社(外国法人の日本子会社)の設立→外国法人の日本子会社設立費用はこちら
このページでは、外国法人が日本で事業を展開する際の形態として子会社を設立する場合について説明しています。★目次から順番にお読みいただければ外国法人が日本で会社設立をする際の全体像がおわかりいただけます。
※すでに株式会社設立が決まっている場合は、下記の要点だけお読みいただいて十分です。(要点)
外国法人が会社設立の発起人になると、設立手続きが実務的に複雑*になり、時間も費用もより多くかかります。これを避けるため、日本の居住者を発起人に任命して会社設立の手続きを進める方法をお勧めします。
発起人としての日本の居住者(新会社の役員もしくは私ども)が新会社の全株を引き受け会社設立をします。設立の日に発起人に発行された株式は親会社の外国法人に譲渡します(=設立日即日譲渡)。 これで外国法人の100%子会社となります。
*発起人が法人の場合、定款認証に際して、その法人の登記事項証明書(=登記簿謄本)と会社代表者の印鑑証明書の提出が必要となります。外国法人の場合、登記簿謄本や印鑑証明書が出せないため、それに代わる書類として本国で公証人の面前での宣誓供述書(Affidavit)やサイン証明書を準備しなければなりません。もしくは、本国で日本の登記制度に類似する制度があって会社証明書を取得できる場合には、本国で取得した会社証明書に日本語訳を付けて代替します。
★目次
1.外国会社が日本でビジネスを始める場合の会社形態
2.子会社 vs 支店、駐在員事務所設置の違い
3.日本子会社を設置する理由・場面・段階
4.株式会社と合同会社の違い
5.株式会社の方がお勧めな理由
6.合同会社の方が有利なケースとその理由
7.外国法人の出資100%の株式会社の設立手続き
8.よくある質問(FAQ)
Q1 株式会社と合同会社のどちらの形態がお勧めですか?
Q2 外国親会社が株主となる場合に必要な書類は何ですか?
Q3 外国で親会社が株主となるのに必要な書類を取得する時間がありません。簡便にできる方法はありませんか?
Q4 資本金はどのように払い込むのですか?
Q5 本店所在地として利用可能な住所の要件はありますか?
Q6 バーチャルオフィスを本店にしても問題ありませんか?
Q7 親会社の役員(国外在住)も日本子会社の役員になれますか?
Q8 法人設立までの流れと期間を教えてください。
Q9 法人の銀行口座開設までの手順を教えてください。
Q10 設立後の税務・会計、給与計算、社会保険は一括でお願いできますか?
Q11 外国本社のCFOやコントローラーと英語でのやり取りは可能ですか?
1.外国法人が日本でビジネスを始める場合の会社形態
外国法人が日本でビジネスをはじめるに際し、「子会社」がよいのか「支店」がよいのかそれとも「駐在員事務所」でよいのか、という 検討課題があります。銀行や保険会社など法律規制のある特殊なものを除き、その外国法人のビジネスをいかに行なうか次第でその選択すべき会社形態は変わってきます。一般的には、日本の会社法の下で子会社を設立することで、本国親会社の責任関係も切り離すことができますので、子会社を設立することをお勧めします。
「外国会社が日本でビジネスをはじめる場合の会社形態」のページのチャートでは、その選択肢を決める際のほんの一例ですが、試してみてください。
2.子会社 vs 支店、駐在員事務所設置の違い
外国法人が日本で事業を行う際の「子会社」形態と「支店」形態それぞれの長所と短所があります。
実際にどちらが適切かの判断は、各社のビジネスの実態によって変わってきます。詳しくは弊所のこちらのページで比較をまとめています。それぞれの長所と短所を比較してみましょう。
※子会社 vs 支店、駐在員事務所の違いはこちら
3.日本子会社を設置する理由・場面・段階
あなた(=外国法人)が日本に子会社を設立したいと考えた理由は何ですか? これまで日本国内の代理店に任せていた販売活動を直轄で行おうと考え、いまがその移行時期と考えたという背景でしょうか? それとも、これまで日本駐在員事務所で、今後事業展開が望めるかどうかについてフィージビリティ・スタディーをしてきて、今後事業展開が成り立つと考え、子会社化を検討し始めたそのタイミングでしょうか? それとも他の理由でしょうか。
私どもでは、貴社で日本子会社が必要なその理由と今後の事業計画をお聞きしながら、適切な事業形態(=駐在員事務所 or 支店 or 子会社)について一緒に検討した上で、子会社設立のお手伝いをさせていただきます。
その際は、ご要望があれば、本国の税制と日本の税制の関係性を鑑みた上で、ワールドワイドで税負担が最適化されるようなスキームの提案もしてまいります。
4.株式会社と合同会社の違い
詳しくは弊所のこちらのページで比較をまとめています。親会社が米国法人以外の場合は、一般的には株式会社をお勧めします。
5.株式会社の方がお勧めな理由
日本の顧客目線(=取引先、金融機関、求職者)から考えると運営基準が明確である株式会社の方が信頼性が高いです。
合同会社の特徴である、利益配分の自由度が高い点(=株式会社では出資比率に応じて利益を分配しなければなりませんが、合同会社では定款の定めにより、出資比率に関わらず自由に利益配分を決めることができます)や定時株主総会が不要である、役員の任期に定めがない、といった点が、逆に、株式会社の方が合同会社よりも外部からの信頼性が高くなっている理由のようです。
6.合同会社の方が有利なケースとその理由
米国法人(LLC)の日本子会社のケースで、米国親会社が米国税法の規定を使い、米国本国でパススルー課税を享受したいと考えている場合には、合同会社の方が選ばれる理由となります。
1) IRSのForm 8832の選択でパススルー課税ができれば、日本子会社の損失を米国親会社の損失として税務上取り扱えます。
2) 上記1は結果的に日本支店を設置した場合の損失の取込と同じことになります。支店との税務上の取扱いの違いは、米国親会社の財務諸表の税務申告書への添付が不要という点です。(=支店の場合、海外本店の財務情報を税務申告書に添付しなければならない)
3)合同会社で納めた日本の税金は本国で外国税額控除を通じて控除できます。(ただし、本国で゙の納税状況によります)国法人(LLC)の日本子会社のケースで、米国親会社が米国税法の規定を使い、米国本国でパススルー課税を享受したいと考えている場合には、合同会社の方が選ばれる理由となります。
※米国でパススルーとなるかどうかは米国親会社サイドで確認して下さい。(当事務所では米国税法は対応していません。当事務所の提携先である日本人の米国公認会計士の紹介は可能です。)
7. 外国法人の100%子会社の設立手続き
外国法人の100%子会社の設立手続きの流れです。| 手順 | 提携司法書士(1から9まで)+弊所(10から12まで) | 株主 = 親会社 |
|---|---|---|
| I. 事前準備 | ||
| 1.基本事項の決定(会社名, 事業目的, 会社住所, 払込資本金・授権資本, 会計期間, 資本金払込金取扱銀行の決定ほか) | 「クエッショネア」 を親会社にお送りします。 | 「クエッショネア」 にご回答下さい。 |
| 2. 類似商号調査 | 現在は類似商号でも登記できますが、完全に同一商号(同一住所にて)は登記できません。また、商号をめぐるトラブルにつき事前の検討が必要です。 | |
| 3. 定款の作成 | 日本語定款もしくは日英併記の定款を作成します。 | |
| 4. 会社印等の作成 | 会社印・代表取締役印等、必要な印鑑を発注します。 | |
| II.会社の登録 | ||
| 5.定款の認証 | 公証人役場での定款の認証。(印紙税4万円、認証代5万円 ほか) | |
| 6.発起人決定・役員選任 | 発起人決定書や役員就任承諾書を作成します。 | |
| 7. 設立登記の申請 | 法務局に登記申請。代表取締役の印鑑の登録、登録免許税。(15万円もしくは払込資本金の0.7%のいずれか多い方) | |
| 8. 株式の譲渡 | 設立日即時譲渡します。株式譲渡の契約書(英語)も作成します。 | 100% 株主! |
| 9. 登記手続きの完了 | 7の申請後7~10日程度で法務局でのチェックが完了します。7の提出日が会社設立日となります。 登記簿謄本(=全部事項証明書)の取得。 |
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| 10. 外国為替管理法による届出 | 設立の翌月15日までに日本銀行経由で関係大臣に届出。 | |
| 11. 税務届出書 ほか | 関係官署へ届出 。 (税務署、県市、社会保険、労働基準監督署、公共職業安定所) |
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| 12. 銀行口座の開設 | 9の終了後、登記簿謄本を入手して、銀行口座の開設申請をします。最近ではまずオンラインでの申し込みが窓口となっている銀行がほとんどです。 昨今は、日本では匿名性やマネーロンダリング対策などの規制により、銀行口座の開設が非常に困難になっています。 銀行口座を開設するには、企業が実際に事業を行っていることを証明する必要があります。弊社では、お客様の事業内容に基づき、必要な書類を特定し、銀行口座開設をサポートいたします。 ※“銀行口座開設に関するよくある質問”はこちらをご参照ください。 |
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8.よくある質問(FAQ)
Q1 株式会社と合同会社のどちらにすればよいですか?
A1 一般的には米国法人の場合、米国税制との関係で合同会社の方が米国税務上の観点から有利です。理由は、IRSのForm 8832の選択でパススルー課税ができれば、日本子会社の損失を米国親会社の損失として税務上取り扱えるためです。米国税法上有利でなければ、株式会社の方をお勧めします。理由は日本では第三者からの観点では株式会社の信頼性の方が高いからです。
詳しくは弊所のこちらのページをご参照ください。
Q2 外国親会社が株主となる場合に必要な書類は何ですか?
A2 本国において、本国会社法による会社の存在証明と役員の存在証明のAffidavit(宣誓供述書)をPublic Notary(公証人)の面前で作成することになります。国によって取得方法が変わってきます。手続きをする司法書士が本国担当者に直接連絡して必要書類をそろえてもらいます。
Q3 外国で親会社が株主となるのに必要な書類を取得する時間がありません。簡便にできる方法はありませんか?
A3 もう一つの方法として、日本在住者を発起人兼当初100%株主として会社設立をし、会社設立即日に、外国親会社に株式の100%譲渡をして外国親会社の100%出資にする方法もあります。この場合、設立手続きで資本金を外国親会社から借入をして、設立日即時譲渡に際して借入金との相殺で株主にするという手続きとなります。この方法を使うと、本国で取得しなければならない「外国親会社出資の場合に必要な書類」が必要なくなりますので、その取得に要する日数分、設立までの手続きが短くなります。
ただし、日本子会社の株主の履歴として、初代100%株主は日本在住者、2代目株主が本国親会社となります。この履歴に問題がなければ、日本在住者を100%株主で始める方法でもよいかと思います。履歴が残るのを嫌うようでしたら、「外国親会社出資の場合に必要な書類」を本国で取得していただく方法を取ります。
なお、親会社の役員等の外国在住者を日本の子会社の役員にする場合は、本人の証明書が必要となりますので、その点は簡便にできる方法はありません。
A4 代表者もしくは従業員となる予定の日本在住者を発起人としてその方の個人銀行口座に資本金を振込んでいただく手続きが早いかと思います。弊所が発起人として設立手続きに加わった実績も多数あります。
Q5 本店所在地として利用可能な住所の要件はありますか?
A5 賃貸先との契約で法務局に法人登記できるのであればどこでも構いません。本国の親会社の方針で、華やかな場所に事務所を借りてアピールしたい場合にはメジャーな商業ビルのテナントとなります。バーチャルオフィスでも登記可能であれば本店所在地の住所にできます。
本店をどこにするかは、本国親会社の事業方針次第であり、また、事業スタート後どのような実態が必要か次第で選択肢が変わってきます。事業内容とビジネスプランにより決まってくる話です。
A6 銀行口座の開設手続きをどう進めるかの観点から住所を決めることになります。事業実態は揃っていて事業の存在をアピールできるのであれば、バーチャルオフィスでも構いません。事業実態を揃えるのに時間が掛かり、かつ、事業をスタートする際にはある程度の物理的スペースが必要であるのであれば、SOHOなどのマンションを借りる選択もあります。
Q7 親会社の役員(国外在住)も日本子会社の役員になれますか?A7 日本在住者でなくとも日本子会社の役員になれます。ただし、ビジネスの観点から日本在住の代表者を置いた方が良ければそうします。
その場合は、外資系法人の典型的なベネフィットであるインセンティブボーナスの支払いに制限が掛かりますので、その点も鑑みて決めることが必要です。
「日本子会社役員へのインセンティブ・ボーナス」については弊所のこちらのページもご参照ください。
A8 設立時の株主を誰にするか(=外国親会社の必要書類を取るかどうか)で所要期間は変わってきます。必要な書類がそろってから、司法書士が2週間程度で登記書類を作成し、法務局に提出します。
一般的に質問書にご回答いただき必要書類が揃うまでに2~3週間程度です。会社設立日は法務局に提出した日となりますが、法務局内のチェックが終わってから登記簿謄本が発行されて会社設立完了となります。法務局の混雑具合にもよりますが、1~4週間程度かかるようです。会社設立が始まったら担当する司法書士からいまの法務局の混雑程度の目途を探ってもらいます。
会社設立までは4~8週間程度をめどにお考え下さい。
Q9 法人の銀行口座開設までの手順を教えてください。
A9 法人の銀行口座開設は、マネロン規制やトクリュウ型犯罪予防の観点から、最近はますます各銀行とも審査が厳しくなっています。事業実態(=実態事務所、事業の開始の有無、従業員の人数等)がどれだけあるのか次第で変わってきます。実際に会社設立後に各銀行に申し込みをしながら対応策をアドバイスしつつ口座開設を一緒に進めています。詳しくは弊所のこちらのページをご参照ください。銀行口座開設まで2026年4月時点では2週間から1か月程度かかっています。
A10 税務会計・給与計算は当事務所で担当します。社会保険と労働保険は提携先の社会保険労務士が担当します。また、登記関係の司法書士、VISAの取次申請行政書士、法律相談の弁護士も英語対応のできる提携先をそろえていますので、当事務所を窓口としてご相談可能な体制となっています。
Q11 外国本社のCFOやコントローラーと英語でのやり取りは可能ですか?A11 提携先の専門家を含め、全員が英語対応(Web会議を含む)可能です。
現地法人設立を決める前に
日本のビジネス拠点として子会社形態をお考えのようですが、なぜ支店ではなく子会社なのですか? 本国でのタックス・プランニングは十分ですか? 本当にそれでよいのですか? ご相談ください。