源泉税軽減・免除のための「租税条約に関する届出書」
日本国外の者(法人および個人)に対し使用料などの支払いをする際には、日本国内の支払者は、日本の所得税法の規定に従い源泉所得税を控除し、翌月10日までに国に納付しなければなりません。源泉所得税率が20.42%であれば、先方に対する支払額は79.58%となります。
しかしながら、支払い相手先の居住国である国と日本国との間に租税条約があれば、事前に(=送金の前日までに)所定の届出書を提出することにより、その源泉税を軽減・免除することができます。
相手先国との租税条約の有無と適用される軽減・免除を確認し、支払を受ける者が必要な届出書等を準備し、支払者の所轄税務署(支払者経由で)に「租税条約に関する届出書(源泉徴収関係)」を提出します。
租税条約の規定の適用に関して条約の特典を受けることができる居住者についての条件を定めている租税条約の規定、いわゆる 「特典条項」を有する租税条約の場合で、特典条項の適用対象となる所得について軽減、免除の適用を受ける場合には、届出書の他に「特典条項に関する付表(様式17)」および「居住者証明書(相手国において課税を受けるべきものとされる居住者であることを証明する書類)」が必要になります。
相手先国との租税条約の内容確認
配当・・・制限税率は親子間なの否かによって変わってきます。親子間要件では、出資比率や所有期間を満たしているか否かの確認が必要です。相手が親会社である場合には、要件のクリアすべき条件が複雑に設定されている国もありますので、親会社サイドで要件充足の有無を確認してもらう必要があります。
使用料・・・相手先国がアメリカ・イギリス・ドイツなででは免税(=ゼロパーセント)となっていても、それを適用させる事前に租税条約の届出書の提出が必要です。
その他・・・利子、キャピタル・ゲイン、自由職業所得、役員報酬、退職年金、政府職員、教授、学生・事業収集車等、その他所得(明治なき所得)の支払いに際しては、租税条約の確認が必要です。
不動産の賃借料に対する源泉徴収
非居住者や外国法人(以下「非居住者等」といいます。)から日本国内にある不動産を借り受け、日本国内で賃借料を支払う者は、法人はもちろん個人(事業者かどうかは問いません。)であっても、その支払の際20.42パーセントの税率により計算した額の所得税および復興特別所得税を源泉徴収しなければなりません。
不動産のオーナーが非居住者等である場合には、賃借料に係る源泉徴収が発生します。支払先が国内の銀行口座の場合であっても、源泉徴収が必要です。源泉徴収の納付漏れは支払者である自身の責任となりペナルティ等も発生します。なお、不動産の賃借料のうち、土地、家屋等を自己またはその親族の居住の用に供するために借り受けた個人が支払うものは、源泉徴収をする必要はありません。
租税条約に関する源泉徴収税額の還付請求
支払日の前日までに「租税条約の届出書」を提出できなければ、支払者は源泉徴収税額を控除し、翌月10日までに国に納付します。この場合受取者の手取りは源泉徴収税額分減少します。この場合でも、租税条約により軽減・免除が適用される場合には、後日、「租税条約の届出書」を提出し、「租税条約に関する源泉徴収税額の還付請求」を提出し、租税条約の適用を受けることができるようになれば、後日減少された手取分を回復できます。
還付請求による還付額は、日本で納税管理人を立ててそちらの口座に返金してもらうか、非居住者等が指定する自身の日本国外の口座に還付してもらうことになります。
「租税条約の届出書」「源泉徴収税額の還付請求」のサポート
特典条項のある相手先国との租税条約の適用のためには毎年届出書の提出が必要になることもあります。当事務所では支払者側の日本企業(=外資系の日本子会社)にこうしたサポートを行っています。
受取側の非居住者等に対しては、当事務所が納税管理人となって源泉徴収税額の還付請求のサポートも可能です。
